サブリースってなに?メリットやデメリットは?【契約前のポイントも解説】

不動産

サブリースって聞いたことあるけど実際はどんなもの?

メリットだけじゃなくデメリットも知りたい。

契約の際はどんなことに注意すればいいの?

こういった不安や悩みにこたえる記事です。

この記事でわかること
  • サブリースとはなにか

  • サブリースの仕組み

  • マスターリースとの違い

  • メリット、デメリット

  • サブリース契約前に確認したいポイント

  • サブリースの代替案

今回はサブリースについて、わかりやすくまとめていきます。

サブリースについて知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

サブリースってなに?

サブリースとは、マンションやアパートなどの物件をサブリース業者がオーナーから借りて、入居者に又貸しする契約です。

わかりやすく図で説明すると以下の通り。

サブリース業者が入居者募集や賃料回収などの管理業務を行います。その代わりに入居者からの家賃収入のうち、決められた割合を受け取る仕組みになっています。

賃貸経営のリスクと手間を回避する手段であり、オーナーの負担を減らすことができます。またサブリース業者は入居の有無に関わらず満室時の家賃収入の8〜9割を保証賃料としてオーナーに支払います。

賃貸経営のリスク
  • 空室のリスク

  • 家賃未払いのリスク
賃貸経営の手間
  • 入居者募集

  • 家賃の集金

  • 契約更新、退去の手続き

  • 物件の管理

マスターリースとの違い

サブリース契約は、サブリース業者と入居者が結ぶ賃貸借契約です。一方マスターリース契約はオーナーとサブリース業者が結ぶ転貸借契約で、不動産会社によってはサブリース契約とマスターリース契約をまとめてサブリースと呼ぶことがあります。

サブリースのメリット

サブリースのメリットは以下の4つです。

  • 空室リスクの回避

  • 家賃滞納リスクの回避

  • 管理業務を任せられる

  • 相続税対策になる

1つずつ解説します。

空室リスクの回避

不動産オーナーにとって一番回避したいことは、空室。つまり入居者が決まらずに家賃が0になることです。

サブリース契約では、そういった空室のリスクがありません。なぜならオーナーが契約しているのはサブリース業者で、毎月保証家賃を受け取れるからです。

毎月の家賃が保証されていることはオーナーにとって大きなメリットですね。

家賃滞納リスクの回避

一般の賃貸借契約では、入居者の家賃滞納にも気を付けなければなりません。しかしサブリース契約では、家賃の集金や催促もサブリース業者が代行してくれます。仮に家賃の滞納があった場合でもオーナーは家賃を受け取れます。

管理業務を任せることができる

サブリース契約では、管理業務はサブリース業者が代行します。

具体的には、入居者募集、賃貸借契約の締結、家賃回収、クレーム対応などの管理業務をサブリース業者に任せているので、オーナーの負担を軽減できます。

相続税対策になる

なぜなら、更地や居住用の建物よりも賃貸経営物件の方が基本的に相続税は安くなるからです。

土地の用途は、戸建て、駐車場、ビルなどさまざまで、自分の土地は自由に使えて、その前提で土地の評価は決まります。ところがアパートやマンションを建てて貸している場合は、土地を自由に使えません。そのため土地の評価が下がります。

イメージとしては以下の通り

土地を自由に使える=土地の評価が高くなる

土地を自由に使えない=土地の評価が低くなる

また賃貸物件の相続税は、空室が少ないほど評価額が下がり、相続税が低くなります。これは入居者が多いほど土地の自由度が下がるためです。

サブリースのデメリット

サブリースのデメリットは以下の4つです。

  • 保証される賃料は元の賃料よりも少ない

  • 家賃が減額される場合がある

  • 敷金、礼金、更新料は受け取れない

  • 定期的な出費がある

1つずつ解説していきますね。

保証される賃料は元の賃料よりも少ない

サブリースで保証される賃料は8〜9割の場合が多く、満室時の家賃収入と比べると少ないことがわかりますね。これは家賃の1〜2割が手数料としてひかれるためです。

「この物件は立地も良いし新築だし、絶対満室になる!」

このような根拠と自信があればサブリースはしないほうが良いです。

家賃が減額される場合がある

これは通常の賃貸も同じですが、サブリースでも定期的な家賃の見直しがあります。経年劣化や相場の変化などで不動産の価値が下がりますので、同じように賃料が下がる場合が多いです。また保証賃料の見直しは2年に1度行われる場合がほとんどです。

敷金、礼金や更新料は受け取れない

敷金、礼金や更新料を受け取るのは基本的にはサブリース業者です。中には敷金、礼金や更新料を受け取れると思って契約しているオーナーもいるので、敷金、礼金、更新料はどちらが受け取るのか契約時に確認しておく必要がありますね。

定期的な出費がある

原状回復費や大規模修繕費はオーナー負担の場合が多いので、契約時にどちらが負担するのか、費用負担の割合はどのくらいなのかを確認しておきましょう。

サブリース契約前に確認したいポイント

契約前に確認したいポイント
  • 保証賃料はどのくらいか

  • 保証賃料の見直しについて

  • 免責期間の確認

  • 契約の解約に関すること

  • 修繕費用などの負担について

1つずつ解説していきます。

保証賃料はどのくらいか

保証賃料は8~9割の場合が多いですが、なぜその割合なのか確認してみましょう。「物件周辺の賃料相場や入居率を考えて」など、正当な理由があれば心配いりません。しかし理由を説明できない場合は怪しいので、他のサブリース業者を検討してみてはいかがでしょうか。

保証賃料の見直しについて

サブリース契約では、一般的に2年くらいを目安に賃料の見直しがされます。周辺の家賃相場や経年劣化を考えて家賃の増減を決めますが、減額されるケースがほとんどです

家賃の減額は断れない?

借地借家法という法律が適用されて減額が認められるパターンが多いです。

借地借家法では、サブリース業者(借主)からオーナー(貸主)への減額請求が認められています。仮に特約で家賃の減額をしない旨の定めをしても、借主に不利な特約は無効になる場合があります。

借地借家法とは

借地借家法とは、土地と建物の貸し借りに関する法律です。民法の中でも特に不動産契約に関する特別な定めがあり、法的に弱い立場である借主を保護するための法律とされています。

免責期間の確認

免責期間とは、サブリース業者が家賃保証をしなくてもいい期間のことです。免責期間は1~2ヵ月間と設定している業者が多いですが、それ以上設定されている場合もあるので契約前にしっかり確認しましょう。

もし確認しなかったら「入ると思っていた家賃収入が入らない」という事態になるので注意ですね。

契約の解約に関すること

サブリース契約中に「やっぱり合わなそうだし、解約したいな」と思うことがあるかもしれません。しかしサブリース業者は借地借家法上の借主にあたり、借主としての権利が保護されているため正当な事由がなければ貸主であるオーナーは契約更新を拒否できません。

解約したいと思ったときにスムーズに解約できず、サブリース業者ともめることは避けたいですよね。サブリース契約書には解約についても書かれているので、契約前に必ず確認しましょう。

修繕費用などの負担について

入居者が退去するときに必ずかかるのが原状回復費です。原状回復とは、クロスの張替やフローリングの修繕などの内装に関わるもので、基本的にはオーナー負担です。また築年数が経過して物件の経年劣化が進むとエアコンや給湯器、キッチンなどの交換が必要になります。こちらもオーナー負担の場合が多いですね。

中にはサブリース業者が内装業者を指定して、修理費用が割高になる場合があります。契約前に、修繕費用の負担はどのように設定されているかと併せて確認しましょう。

サブリースの代替案

自主管理

入居者募集、賃料集金、建物の管理などを全て自分で行います。賃貸経営のコストを大幅に削減できるメリットがありますが、シンプルに時間と手間がかかります。また入居者募集に関しては、自分で不動産会社に依頼して入居者を探す必要があります。

管理委託

不動産管理会社が物件の管理や賃料の集金を行います。委託費用は家賃の5%前後が相場とされており、オーナーが敷金・礼金や更新料などを受け取ることが一般的です。ただしサブリースのような空室時の家賃保証はありません。サブリースと比べると費用が抑えられるところがポイントですね。

どちらがオススメ?

賃貸経営のコストを大幅に削減できるが手間と時間がかかる自主管理、費用はサブリースよりもかからないが家賃保証がない管理委託、そして空室リスクはないが様々なデメリットが発生するサブリース。みなさまはどれが自分に合っていると思いますか。

不動産会社からの強引な営業に惑わされてはだめです。それぞれのメリット、デメリットを理解して、自分に合ったものを選びましょう。

【まとめ】今回はサブリースについて解説しました。

サブリースとはオーナーから不動産を借りて、又貸しする契約のことです。メリットはありますが、デメリットもあるので気を付けましょう。

メリット、デメリットを以下の表ににまとめてみました。

メリットデメリット                 
・空室リスクの回避
・家賃滞納リスクの回避           
・管理業務を任せられる
・相続税対策になる
・保証される賃料は元の賃料よりも少ない
・家賃が減額される場合がある
・敷金、礼金、更新料は受け取れない
・定期的な出費がある

サブリース契約では、契約前に確認しておかないと手遅れになるものもあります。契約書をしっかりと読み、疑問や不安な点は担当者に必ず確認しましょう。

確認したいポイント
  • 保証賃料はどのくらいか

  • 保証賃料の見直しについて

  • 免責期間の確認

  • 契約の解約に関すること

  • 修繕費用などの負担について

もしサブリースが合わないなと思ったら、別な方法も検討してみてはいかかでしょうか。

サブリースの代替案に自主管理と管理委託というものがあります。営業に惑わされず自分に合ったものを選びましょう。

サブリースについて詳しく知りたいあなたの参考になればうれしいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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